No.68
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倉庫としておいています。
受け攻め性別不問/男女恋愛要素あり
R18と特殊設定のものはワンクッション置いています。
年齢制限は守ってください。よろしくお願いします。
倉庫としておいています。
受け攻め性別不問/男女恋愛要素あり
R18と特殊設定のものはワンクッション置いています。
年齢制限は守ってください。よろしくお願いします。
「星さん?あの、これは一体」
「友達――アベンチュリン――から貰ったの。だから、あなたにあげる」
「あげると言われましてもこれはまた大金ですよ」
「そうだね。だから、あなたが使って」
「どうしてです?」
「いつも投資話をおじゃんにするじゃない!私はお金を出すと言っているのに」
「あなたは良くてもあなたの保護者達に何を言われるかと思うと僕のリスクが高いんですよ」
「じゃあなんでいつも声をかけてくるの?」
「あなたが簡単に乗るからですよ」
「矛盾?」
「楽しいからいいじゃありませんか」
「まあ、それは……そう。だから、私が投資話を作った」
「だから?」
「だから」
「一から話してください」
「十から話したのに?」
「それが問題なんですよ」
「私、お金貰う。サンポ、そのお金を使う。終わり」
「あなたの話術を指南する本を作ると売れそうですね」
「じゃあ、このお金で作ろう!」
「ゼロから話すのはどうでしょう?」
「回りくどいな。いいから使えと言ってるんだけど」
「正直に言うと恐ろしさを覚えています。わけもわからず他人……いえ、ごほん。親愛なる友人の星さんからお金を使えと言われて。まったく混乱してしまいます。これは罠かなにかでしょうか?」
「シンプルに話してるんだけどな」
「シンプル……というか、マッチを使って火をおこすのではなく、雨を降らせろと言われているような気分なのですが」
「じゃあそれをしよう。このお金で」
「すみません、壊れたカセットテープよりも異常な停止と繰り返しを行わないでください」
「私を失望させないで」
星が言う。
サンポは目を細めた。
「私めに何をさせたいのですか。私めは商人ですから、事は単純なのです。お客様の欲しいモノを買う。お客様の欲しいモノを売る。それだけなのですよ。」
「サンポがこのお金でサンポの欲しいものを買ってきて、私を満足させる。以上」
「僕の欲しいものでどうして星さんが満足されるのですか?」
「サンポの欲しいものが見たいから。」
「おやまあ、……いえちょっと待ってください。一体どうされたのですか?ゴミ箱に脅迫されているんですか?どのあたりの?まさかこの前一緒に穴を掘っていたあれですか?」
「どの話?心当たりが多くて分からない」
「はあ」
サンポがため息を吐いた。
星はてへへと照れたように頭を掻いた。
「じゃあそういうことで」
「待って。待ってください。僕、何かあなたを怒らせるようなことをしましたか?」
「存在がもう………あれは許せなかったな………」
「えぇえ……償いならもうしたじゃないですかぁ、ってどのことですか?心当たりがまるでないのですが……」
「サンポじゃなかったからね。でもサンポの顏してたからそういう時はサンポが悪いよ」
「―――ということは、つまり」
「てへへ」
「八つ当たりじゃないですか?サンドバックの代金ということですかぁ?」
「願いは本当。怒りも本当だよ。いや、正当かな……大体サンポが悪いじゃん……」
「あのー。まったく理不尽さを覚えるのですが、はあ、もう分かりましたよ。ならそういうこととして、お金は預からせていただきます。……僕の欲しいもの、でしたよね?」
「まあ犬のうんこみたいなもんだと思うけどね」
「今ふかーく傷つきましたよ。本当ですからね、ああ、悲しい……良き友、良き仲間、良き同士、こうして時間をかけてお互いを知り合い、深くつながった関係だと言うのに……星さんはまったく僕のことをお分かりになっていないなんて!この不肖サンポ、悲しすぎてもう涙も枯れはててしまいました」
「乙~。じゃあ、楽しみにしてるね」
「あ、ちょっと!」
星は本当にさっさと歩きだして、街灯に喧嘩を売りに行った。街灯の方はまったく気にせず、そびえたっている。むしろその近くにあるポストの方が彼女のことを気にしているようだ。この街は終わりだ。
「……さてと」
本当に大金だった。彼女からして、だが。それをささーっと懐にしまい込み、サンポもまたその場を去ることにした。自分の欲しいものはお金では買えない。大事なものはお金で買えないのだ。まあ、大抵の場合だが。何があったのか、おおよその見当はついているものの、かといって自分の所為ではないことは確かだ。八つ当たりの代金は頂くとして、彼女の願いを叶えないといけない。売られて、買ったのだ。このサンポ、いついかなる時もお客様を失望させるようなことは致しません。決して差し出すのは、犬のうんこなどではないのだ。……………彼女は、結構喜びそうだ。物語はそうやって破綻した。パーン。終わり。