No.69
- ユーザ「ほろた」の投稿だけを見る (※時系列順で見る)
- この投稿と同じカテゴリに属する投稿:
- この投稿日時に関連する投稿:
- この投稿を再編集または削除する
アナウンス
※現在プレイを休止しているものあります。
倉庫としておいています。
受け攻め性別不問/男女恋愛要素あり
R18と特殊設定のものはワンクッション置いています。
年齢制限は守ってください。よろしくお願いします。
倉庫としておいています。
受け攻め性別不問/男女恋愛要素あり
R18と特殊設定のものはワンクッション置いています。
年齢制限は守ってください。よろしくお願いします。
大抵の地球のおかずよりも遥かに良いものたちがここにはあり、何故ならここは地獄だからだ。
天使たちの襲撃が今日は休みで、ここの神も休日を作ったのかもしれなかった。案外常識を持ち合わせたピョンがお出かけになられてはいかがですかと言う、ゲヘナはとても素晴らしい街ですよ、と言う。襲撃の後に朽ち果てた建物があっても活気に満ちていて、美しかった。一人で行ってもいいものかと確認する前に、ちょうどいい、とピョンが言った。ザガンがいた。ザガンは私と目を合わせなかった。そこが気に入った。ピョンに一緒に出掛けてくるといい、はい、それがよろしいですよ、と言い、何か忙しそうに出かけて行った。見慣れた赤い丸が、星のように過ぎ去って、無言を決め込むザガンの腕を取った。びくりと驚いて、ザガンは目の端を赤く染めた。
「あなたはどうしてここに?」
「…………」
ザガンはひどく無口で、私は自分の都合よく解釈することにした。
ぴったりとくっつくと熱い皮膚が感じ取れた。シトリーでもなくても鼓動は聞き取れる。
「ゲヘナはいい街だね」
ザガンは頷いた。
「それで、二人きりになれる場所は知っている?」
ザガンは目を丸くした。
私を見て、喉をこくりと鳴らす。
正直で可愛い反応に私は満足した。
「嘘だよ、好きな場所に連れて行って」
ザガンは困ったように眉を下げた。
「どちらがいい?」
ザガンは、顔をそらした。
私は辛抱強く待つことにした。嘘だった。彼の手を握り、彼の腕を触った。
ザガンは首から赤くなって、小さく唸る。
「…………どこがいいのか、分からない」
「酒場があるんだったら宿があるんじゃないかな」
「!」
ここは地獄だったし、彼は悪魔だった
ザガンは私の腕を取ると、真っ直ぐに歩いて行った。私は素直に付き従った。彼が何か他の悪魔に断りを入れ、私は宿の一室に連れてこられる。ザガンの息はすでに荒くて、硬くなって主張していた。
「……キスはしてくれないの?」
ザガンは応じた。
最初は戸惑いがちに、徐々に大胆に。私は受け入れて、ザガンも私を受け入れるころにはお互い裸になっていて、私は彼の均等に鍛えられた美しい身体を目と指で堪能した。唇でも、舌でも。ザガンはベッドにうつ伏せになって、時々唸り、私に許しを請うような目をした。きらきらの犬みたいな、それでいて、あまりにも真っ直ぐだから返って虐めたくなるような目で。
私は彼のものを太ももで挟んだ。
「いれたい?」
「………ああ」
「どうしても?」
「……どうしても」
「どうして?」
「……どうして?」
「言って」
何を、と彼は聞かなかった。
「お前が欲しい」
私は返事をせずに、彼を導いた。
彼はそれだけで震えて、達しそうになった。
好きに動いていい、と言うように私は彼の首を抱き、彼は動き始めた。
動けば動くほどみっちりと質量を増してゆく。
ここは地獄で、地球では中が満ちることはなかった、こんなにも。
彼の髪もとてもいい匂いがして、悪魔はどうしたって魅力的だ。しとどに濡れていく自分も、彼のものも感じて、でも彼は私を壊すわけではなかったし、私も彼に壊されたいわけではなかった。
丁度いい興奮と快楽に、どこか素朴な彼のうっとりとした恍惚した眼差しが気持ちよかった。
「はぁ、はぁ、……気持ちいい?」
「……ああ」
彼はそれに興奮したように、腰の動きを早めていく。乳房を舐めて、先端を吸う。
前にした動きを覚えているようだった。
私の内側も唸っていく。
彼の汗が私に落ちる。
髪を掻き上げて、角を触ると彼は眉をしかめた。
困っているのに、もっと、と強請るようだった。
私は嬉しくなって、彼の角を握る。
彼の動きに合わせてぎゅ、ぎゅ、と動かすと、彼は声を漏らした。
「イキたい?」
「……ああ」
「可愛い」
また彼は困惑して、でもそれをどこか楽しんでるようにして小さく笑った。
私はあとは彼に任せることにして、彼の齎すものを楽しんだ。
美しい男が犬みたいに懐いてくれるのは、心地よかった。
ザガンの余力を残して行為は終わった。甘く痺れて余韻が残っている。私はまだ出来るような気がして、彼の胸元を触った。ザガンは、私の首筋に唇を寄せる。
「今日は終わりだ」
「どうして?」
「お前が疲れているから」
「もっとできるかもしれないでしょう」
「……なら、今度」
今日よりもっとする、とザガンは小さく笑った。
私をあやすように。
「休んでくれ。連れていく」
どこに?
地獄はここだ。
ザガンは私にキスをした。甘い色の眼差しは欲を残していて、そういえばこういうジュースがあった。よく混ぜないと最後に甘い蜜が残ってしまうもの。水を足して飲んでもいいんだけれどそうすると水っぽくなって台無しになってしまう。私は彼の唇を舐めて、彼は、小さく唸った。犬みたいにして。見えない尻尾を振って、私の胸元に頭を寄せた。案外ふわふわとした髪が私の肌をくすぐり、ゆったりとした重みは私を睡眠へ促す。
「また会いたい」
どうしてそんな当然のことを?私は眠気に囚われて、うまく答えられなかったけれど、窓から差し込む光は薄っすらと分かり、それが一層ザガンを美しく見せ、私はゲヘナは素晴らしい街だと、改めて思った。
畳む