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No.14

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手当たり次第に撃ち込んだ、さながら散弾銃の風格で。現実的にはそれはネコパンチだ。…

文章,短編

文章,短編

短文3

手当たり次第に撃ち込んだ、さながら散弾銃の風格で。現実的にはそれはネコパンチだ。失礼、かわいく言いすぎだ。しかし徒手空拳というのも、なにか違う。暴れるほど暴れ果て、掴んだものは外れた宝くじのようものだ、何が言いたいかって?ノイズは仕方ない。ノイズを除去するイヤホンも忘れた。お買い得です!声が聞こえる。声を張り上げて店員が叫んでいる。お買い得です!セールです!今だけ!期間限定!ざわざわとしたノイズに再び戻る。彼女がやってきて、やってきて、隣に並んで、お買い得、と言った。見ますか、と僕は言い、彼女は首を傾げた。お買い得って大変だから、と彼女は言う。まあ確かに。
ノイズは広がって、僕は散弾銃を持つ。比喩だ。心としてそうだから、そう言う。散弾銃を持つ。本当はどんなものかよく分からない。マシンガンとはどうも違うらしい。彼女は見たい映画があるんですと言う。アクション。スターンローンの。機関銃。その機関銃なのか?僕は握る。彼女の手を。彼女は握り返す。スターンローンの映画を観に行こう。ノイズがやってくる。僕は歩き出す。彼女は歩き出す。お買い得です!

「あの店、見たいです。何がお買い得なのか、本当は知りたくて」
彼女は笑った。
「実は私もそうです。あんなに必死に言ってるから、すごいものがありそうじゃないですか」
「本当に。で、映画も見ましょう」
機関銃は置いていなかった。猫のかわいい靴下が置いてあって、彼女は困った顔をして、困ったと言うから僕は少し笑った。

info
受け攻め性別不問/男女恋愛要素あり
R18と特殊設定のものはワンクッション置いています。
年齢制限は守ってください。よろしくお願いします。