or 管理画面へ

更新履歴

No.7, No.6, No.5, No.4, No.3, No.26件]

(対象画像がありません)

いっそう遠く輝いている星を眺める、マコト、船に乗らないかと言われた、どうしてと尋…

小説

#京園

小説

星々の話

いっそう遠く輝いている星を眺める、マコト、船に乗らないかと言われた、どうしてと尋ねたらお前は辛抱強く体力がある、漁師に向いていると大柄の男が言った、日焼けした肌で、酒を飲んだのか赤ら顔だ、乗らない、と彼は答えた、どうしてだ、地上にいる人間と戦い、一番つよくなるより、海と戦う方がずっと困難だ、と男は言った、それはそうかもしれない、海に勝てるかは分からない、巨大な果てのない相手だ、それはそうだろう、考えてみろ、と男は笑う。今、好きな女と離れてるんだろう、好きな女を置いていくお前は船乗りにぴったりだ、男はそう言って酒を飲んだ。彼はそうかもしれないと思った、彼は戦いを除けば物静かな男で、年相応のシャイさもあって控えめで謙虚な男だった、だから彼を恐れるものはいなかったが、彼が丁寧であればあるほど、強さの象徴として受け取られた。彼が彼女に強く恋をしているなんて、実際彼女も分かっていないのかもしれない。彼女は感覚で分かってるだけだ、彼は裏切らず、ひたむきに誠実に自分を好きなのだと。それは深層意識で気づいているだけだったから、彼女は言葉にしなかった、気づいてるのはそんなふたりをそばで見ている彼女のごく親しい人々だけだった。だから、こんな遠い地で彼が彼女に深く恋い焦がれているなんて、気づかれることはごく稀だった。そんなに好きならそばを離れるわけはない、と言われてしまえばそうだ、彼は薄情ではなく、むしろずっと愛情深かった。


スマートフォンでメールを打ちかけて、指は止まった。元気ですか、短いスカートなど履いてはいませんか。最近寒いので、体を大事にしてください。だって伝えたいことはこんなことではなかったから、彼は眉根を寄せた。彼女が夢中になるあの怪盗のように言葉を紡げていたら…………………


男は眠っていた。店員に目をやるといつものことだというように、肩を竦めた。彼は店を出て、宿に向かった。港沿いを歩いた。潮風を浴びた。故郷の海とはまた違った海だ。波の音だけは変わらない。猫がいて、魚を食べていたが彼を見て食べかけの魚を咥えて素早く去っていく。海鳥が鳴いていた。ゆっくりと彼は歩調を緩めた。

彼は不慣れな操作でスマートフォンで海の写真を撮った。彼女に送った。彼女の返信はすぐに来た。きれいね。彼が返信する前に彼女がメッセージをさらに送ってきた。
〈真さんの写真は?〉
彼は困った顔をした。
思ったままに返す。
〈自分の写真とは〉
〈自撮りして〉
〈自撮りとは〉
〈誰もいないの?〉
誰もいなかった。
自撮りとは。
彼女は丁寧に解説した。端末のカメラで自分を写すの。こんな感じで。ほら。そう、部屋着の彼女の写真が送られてきた。彼は顔を赤くした。
〈わかった?〉
彼は写真の彼女を見ている。
可愛らしい。
きれいだ。
美しい。
どれも彼女を賛美するには、違う気がした。生き生きとした瞳が彼を見ている。
電話がかかってきた。
「あ、はい?!」
「どうしたの、真さん。操作が難しい?それとも写真を撮るのはイヤ?」
「あ、いえ、そうではなくて」
「電話しても大丈夫だった?」
「それはもちろん」
「よかった。写真送ったら返事がなかったから………………かわいくないわよねこの部屋着」
「ええと、違うんです、つい見てました。園子さんの写真を」
「え?」
「あの、……………大事にします、この写真」
「そ、そう?それなら、いいけど……でも、もっとちゃんとおしゃれして撮るから!そっち大事にして!」
「どれも大事にします」
「…………………うん。大事にして」
「はい」
「…………えっと!だから、それで真さんの写真は?」
「ええと、あまり分からなくて」
「やっぱり誰もいない?」
「宿に行ったらご主人がいるかと」
「それじゃ、お願いして撮ってもらってよ、私も欲しいし………真さんの写真」
耳元で優しく落ちる声に彼は再び顔を赤くした。
「はい」
「そ、それじゃ、またね!」
「はい。………………あの、その」
「なぁに?」
「─────────好きです」
ぎゃっ!と悲鳴が聞こえた。
「どうしました?!」
「あっ?!えっ?!なんでもない!!!!なんでもないわよ!!!!」
「な、なら、いいんですが…………」
「私も真さんのこと、大好き!」
じゃーね!と逃げるように電話は切れた。暫く彼はポンコツになって、宿をずいぶん通りすぎる羽目になり、辺りはすっかり夜に包まれ、写真を撮ってもらうのをついぞ忘れた。

彼は写真を眺める。自分のために撮られた彼女を。画面を指の腹でなぞった。星を見ていた、自分に届くないはずのない星は、太陽でもあった。結局のところ彼は自分に自信のないただの18歳で、強さを追い求めているものの、肉体ほど頑強でない心で、自分が好きな女の子のそばにいていいのかと悩んだままだ。地上のすべてに打ち勝って、強くなって、しかし、それでもまだ足りないのだろう、自分に勝つには。


繰り返し繰り返し波の音が聞こえる、声をかけてきた男は朝方沖に出るのだろう。その空に星はあり、やがて太陽は姿を見せる。海とどう戦うのか、彼は考える。真面目に、ふざけていると取られかれない真剣さで。海は彼女の姿をしていた。彼女の姿はどこにでもあった。彼は恋する男だった、果てのない深さで。だから、一層彼はいつも揺れていた、波の上の船のように。彼も海だったし、そうではなかった。全部そうだった。
彼はまだ修行の途中だ。なんにでもなれた。強さがあった、弱さがあった。時代が違えば英雄だった、すべてが許せば伝説になるはずだ、彼だけが、ただ彼女を見ていた。






#京園

202312271913423-admin.jpg

#主テツテツヤBD(肌色注意) (画像省略) (画像省略)(画像省略)…

漫画

#放サモ #主テツ

漫画

#放サモ

#主テツ


テツヤBD(肌色注意)

 

202312271913423-admin.jpg

202312271913422-admin.jpg

202312271913421-admin.jpg

20231227191342-admin.jpg

202312271924144-admin.jpg


202312271924143-admin.jpg


202312271924142-admin.jpg


202312271924141-admin.jpg


20231227192414-admin.jpg

(対象画像がありません)

彼女が言う、こんなところにカフェが。あれ、違うわね、彼は目線を向ける、漢字だわ、…

小説

#あむあず #秀明

小説

喫茶の扉は世界に繋がる



彼女が言う、こんなところにカフェが。あれ、違うわね、彼は目線を向ける、漢字だわ、喫茶、喫茶、なにかな?どんな名前だと思う?喫茶のあとが読めなかった。ぼんやりと塊のような色がある。絵のようにも見えたし、文字のようにも見えた。コーヒーの匂いがした。彼女は子供のように笑った、彼の腕に腕を絡めて、入ってみましょう、と言った。彼は特に否定する言葉を持たない、頷いて店の扉を開けた。

カラン

客が二人入ってきた、ということだけが、分かった。なぜだかひどく朧気だった、店員の彼と彼女は顔をみあわせて、それからいらっしゃいませと、言った。いつものようにテーブル席に案内して、お水を運んだ。こんにちは、と店員の彼が言う。今日のおすすめは、アップルパイです、と添えた。有り難う、とやはり朧気に届いた。聞こえるが、ノイズがある。ラジオのチューナーがあっていないみたいに。髪の長い二人連れだ。体格からして、男女。おそらく恋人。店員の彼はどこか懐かしい気がした、遠いどこかに置いてきた思い出みたいに。客は客だった。幸い店内には他に客はいない。いや、たった一匹。猫が入り込んでいた。猫はカウンター席に丸まっている。店員の彼女が言った。きっと、大尉のお友達ですよ。

ふぁわ

猫があくびをした。彼の目に猫が写った。ハチワレ模様の猫だ。ぐっと伸びをする。彼女が、微笑んだ。かわいいわね。彼はあまり興味がなかった。しかし不思議と懐かしい気持ちのする猫だった。彼は言う。知り合いか?彼女が瞬いた。猫と?そうかも。こんなところで、出会うなら旧友なのかも。彼女の茶目っ気だった。アップルパイふたつとコーヒーふたつ。彼は注文した。店員がいる、二人いる、だが、どこか遠かった。この場にいるのに、この場にはいないような。不思議な店だった。日本の喫茶店、という雰囲気は伝わってくる。飾っている絵は抽象画だった。宇宙のような水面のような雑多のような。気に入ってるみたい。彼女が言う。彼は眉をあげた。何故?そんな気がする。彼女の言うことはいつでも正しかった。彼は、しかしどうかな、と言う。なんて名前かしら、彼。彼女の目は猫に向いている。彼は、その横顔を見つめた。

おやつ食べる?店員の彼女が猫に聞いている。店員の彼はアップルパイの用意をしている。大きなバニラアイスの容器を取り出して、あたためたアップルパイの上に乗せ、ミントを乗せた。店員の彼女にコーヒーの準備を、と言う。店員の彼女は、はぁい、と言う。アイスが溶けないうちに、と彼は二皿アップルパイを運ぶ。わあ、という声が聞こえた。そこに、何か大切なものがある気がした。コーヒーをどうぞ、店員の彼女が呼び掛ける。店員の彼ははっとして、コーヒーを運ぶ。カトラリーと一緒に。ごゆっくり。猫がじっと見ている。店員の彼は猫をみる。親しみのある眼差しだった。ああ、今日はおかしな日だ。どうぞ、と店員の彼女が言った。食べたいんじゃないですか?アップルパイ。いつのまにか用意されていた。カウンター席は、猫のとなり。カフェオレにしておきますね。どうして?店員の勘ですよ、彼女が誇らしげに言った。ごゆっくり。

店員の彼女がバタバタと倉庫に行く。猫はさっと椅子を飛び降りてついてゆく。店員の彼はふと振られた気分になった。美味しいね、と彼女が言う。彼は頷く。さくさくのパイ生地とシナモンのきいた林檎が柔らかく甘い。とろけるバニラアイスが絡む。コーヒーもちょうどいい苦味と酸味だった。全体がまろやかだ。調和がとれている。彼女は聞いてみる?と言う。彼は目線で尋ねる。彼女は店員を呼ぶ。ここはなんて、名前?店員の彼は振り返った。やはり、遠かった。何故か知っている気がする。どこかで。近くで。最近。遠く。彼女が、エルキュールと、言った。たしかに、名探偵が好きそうな味だわ、店員の彼は笑んだ気がした。灰色の脳細胞。彼はじっと彼女を見つめた。彼女の頭のなかには、輝くなにかが満ちている。頭蓋骨の形を知っている。彼は手を伸ばした。彼女は、ついてる?と言う。アップルパイ。彼は頷いて、彼女の頬を触った。そこには何もついていなかった。有り難う、彼女は言う。彼は頷いた。コーヒーは残り少ない。いつの間にか。

きゃあ!

店員の彼は勢いよく立ち上がった。梓さん!?びっくりしちゃった、店員の彼女は照れたように現れた、段ボールを抱えている。なう。猫が鳴く。するりとその尻尾が二股に別れている。店員の彼女が言った。ヒロくんって、名前なんですって。ヒロ?そう。ヒロ。猫が言った気がした。店員の彼は身じろぎした。猫は、ヒロと名乗った猫は、客のもとに行く。

お別れだよ。
なにが?どうして?

いつか、また会える。
客は店を出て行く。
猫は店を出て行く。
彼は駆け出した。

「あれ?」
「どうかしました?」

コナンと蘭が居た。買い物帰りの二人は、大きな袋を持っている。

「そうだ、これ、どうぞ」

蘭が差し出した。

「たくさん貰っちゃって、よかったら」

コナンが、いっぱいあるんだよ、と言う。赤い林檎だ。彼は瞬いた。彼女が覗き込んできた。こんにちは。蘭さん、コナンくん。

「実はね、なんと」
「また、作るよ、アップルパイ」

君たちには、出来立てをね。





#あむあず
#秀明

202312271617013-admin.jpg

#ガイ観(画像省略)(画像省略) (画像省略) (画像省略)

漫画

#ラブヒロ #ガイ観

漫画

#ラブヒロ

20231227161517-admin.jpg

(画像省略)

#京園

#京園
20231227161517-admin.jpg

#あむあず
20231227161432-admin.jpg

アナウンス
※現在プレイを休止しているものあります。
倉庫としておいています。

受け攻め性別不問/男女恋愛要素あり
R18と特殊設定のものはワンクッション置いています。
年齢制限は守ってください。よろしくお願いします。