自作二次創作亮介と鉱一外見に冷たさのある容姿が整った類いである亮介はそれなりにそれなりにだが、顔を出して欲しいという依頼も時々ある。それについて不満を持ったことはない、あいつは顔だけと言われてもそれが仕事になり金になるなら構わなかった。だからか、「お前は中身もいいしな」としれっと褒められるのは一向に慣れないままだ。「っ、当然だろうが、俺は見た目も中身も実力も完璧なんだから」「そうだな」そうだな、じゃねーんだよ!鉱一は至って飄々としてる。インターネットは話のネタの宝庫で特に噂話がキッカケになることも多い職業ともなれば、あらゆる場所へ顔を出す。その中には自分への評判もあれば不満もある。同業者の中には一切見たくないもののいるが、二人は部屋で酒を飲みながら一緒に見ることも多い。霧の村の話で評判を取り戻したとはいえ、鉱一への評価はまちまちで、一方の亮介は評価は安定しているが一部の評価の仕方は色んな意味で激しい。「…………調査の依頼入ってんだろ?」「まあな」「お前いつか死ぬぞ」「そうかもな」「そうかもなって、お前な!!本気で考えろよ、安全性とか危険性とか!!」缶ビールを飲み干して、鉱一は立ち上がった。「まだ飲むだろ?」「話をそらすんじゃねえよ!」「でも、お前ならわかるんじゃないか」視線が合う。嫌なほど真っ直ぐだ。わかる。わかるから、嫌だ。自分もそうだ。「けど、俺は怖ぇよ。ダサいか?」「いや、まともだ」「お前だって別に狂ってるわけじゃねえだろ、だから余計に嫌なんだよ。やってらんねえ!」「帰ってくるさ、ちゃんと」「無理だねお前には無理だ!そんなこと約束できっこねえ、決めた!今度も俺がついていってやる、面倒見てやるよ、しょうがねえから!」捲し立てるように言った。「嫌とは言わせねえ、つーかお前にはそんな権利はない!」目を見開いた鉱一は笑った。「亮介、あんまりそういうとこ、外で見せるなよ」「あぁ?!性格と口が悪いっていいたいのかよ!」「いや、惚れられたら困るだろ?」「――――――――ハ?」思いがけない言葉に面食らう。鉱一はキッチンへいく。冷蔵庫を開ける音が聞こえた頃、じわりと熱が上がってきた。亮介は手元の缶ビールを飲み干し、握りつぶした。だから。それは。どういう意味なんだよ!!鉱一が戻ってくる。ビールを手渡されて、亮介は一気に飲み干してゲップする。「取ってくる」「……もう、酔ってんじゃないか?」「うるせえよ!こんなの序の口だ」「顔赤いぞ」「知るか」悪態を吐いて舌打ちした。鉱一は、肩を竦めるばかりだ。酔っぱらいは犬でも喰わない。一人、キッチンの冷蔵庫に頭を突っ込みながら、亮介は目を閉じる。「ふざけやがって………」でも、離れられないのだ。こんなものは腐れ縁であって、それ以上でもそれ以下でもない。だのに、一向に引くことのない熱が、電気代だけをどんどん加算させていた。 2025.1.29(Wed) 21:30:18
亮介と鉱一
外見に冷たさのある容姿が整った類いである亮介はそれなりにそれなりにだが、顔を出して欲しいという依頼も時々ある。それについて不満を持ったことはない、あいつは顔だけと言われてもそれが仕事になり金になるなら構わなかった。
だからか、「お前は中身もいいしな」としれっと褒められるのは一向に慣れないままだ。
「っ、当然だろうが、俺は見た目も中身も実力も完璧なんだから」
「そうだな」
そうだな、じゃねーんだよ!
鉱一は至って飄々としてる。
インターネットは話のネタの宝庫で特に噂話がキッカケになることも多い職業ともなれば、あらゆる場所へ顔を出す。その中には自分への評判もあれば不満もある。同業者の中には一切見たくないもののいるが、二人は部屋で酒を飲みながら一緒に見ることも多い。霧の村の話で評判を取り戻したとはいえ、鉱一への評価はまちまちで、一方の亮介は評価は安定しているが一部の評価の仕方は色んな意味で激しい。
「…………調査の依頼入ってんだろ?」
「まあな」
「お前いつか死ぬぞ」
「そうかもな」
「そうかもなって、お前な!!本気で考えろよ、安全性とか危険性とか!!」
缶ビールを飲み干して、鉱一は立ち上がった。
「まだ飲むだろ?」
「話をそらすんじゃねえよ!」
「でも、お前ならわかるんじゃないか」
視線が合う。
嫌なほど真っ直ぐだ。
わかる。
わかるから、嫌だ。
自分もそうだ。
「けど、俺は怖ぇよ。ダサいか?」
「いや、まともだ」
「お前だって別に狂ってるわけじゃねえだろ、だから余計に嫌なんだよ。やってらんねえ!」
「帰ってくるさ、ちゃんと」
「無理だねお前には無理だ!そんなこと約束できっこねえ、決めた!今度も俺がついていってやる、面倒見てやるよ、しょうがねえから!」
捲し立てるように言った。
「嫌とは言わせねえ、つーかお前にはそんな権利はない!」
目を見開いた鉱一は笑った。
「亮介、あんまりそういうとこ、外で見せるなよ」
「あぁ?!性格と口が悪いっていいたいのかよ!」
「いや、惚れられたら困るだろ?」
「――――――――ハ?」
思いがけない言葉に面食らう。
鉱一はキッチンへいく。
冷蔵庫を開ける音が聞こえた頃、じわりと熱が上がってきた。
亮介は手元の缶ビールを飲み干し、握りつぶした。
だから。それは。
どういう意味なんだよ!!
鉱一が戻ってくる。
ビールを手渡されて、亮介は一気に飲み干してゲップする。
「取ってくる」
「……もう、酔ってんじゃないか?」
「うるせえよ!こんなの序の口だ」
「顔赤いぞ」
「知るか」
悪態を吐いて舌打ちした。鉱一は、肩を竦めるばかりだ。酔っぱらいは犬でも喰わない。一人、キッチンの冷蔵庫に頭を突っ込みながら、亮介は目を閉じる。
「ふざけやがって………」
でも、離れられないのだ。
こんなものは腐れ縁であって、それ以上でもそれ以下でもない。
だのに、一向に引くことのない熱が、電気代だけをどんどん加算させていた。