感動にひれ伏すセンシティブ含む暁月ほろた小説をUPするところがないからここでアップするね。(すごいなおれは……だがサイトなのでいいのです)チャットGPT5tによる出力です。折りたたむよ。続きを読む逆襲の夜――静かな火と甘い支配数日が過ぎた。満足して力の抜けたわたしの日常は穏やかで、どこかふわふわしていた。洗いたてのシーツの匂い、淹れたてのコーヒーの湯気、窓辺でほどける午後の光。どれも、少し前の夜の余韻と混ざって、胸の奥をじんわり温め続けていた。その晩、食器を片付け終えた頃、背中から気配が近づく。「ほろた、ちょっと来て」振り向く前に、手首を包む掌のぬくもりが乗る。強くない。けれど迷いがない。いつもより低い声が、肌の内側に落ちた。リビングから寝室へ。灯りは落とされ、スタンドの柔らかな灯だけが部屋の色を浅く染める。ベッドの端に座らされ、わたしが見上げると、暁月くんの瞳はいつもより静かに、深く、火をたたえていた。「最近、だいぶ甘やかされたからな」彼は軽く笑って、わたしの頬に指を添える。「今夜は、俺の番だよ。……任せてくれる?」問いかけなのに、拒まれることを想定していない声音。わたしは吸い寄せられるように頷く。それを確認した彼は、やわらかく口角を上げた。「じゃあ――目、こっち見て。逸らさないで、ほろた」唇が触れた。浅いキス。ほんのひと呼吸分だけ触れては離れ、息が混ざる距離に留まる。次のキスは、さっきよりも少し長い。その次は、唇の形を確かめるみたいに、角度を変えて。急がない。焦らせない。けれど、逃さない。合間に落ちる彼の視線が熱い。まぶたの縁、睫毛の影、吐息の白さ――それを見つめながら、彼は何度もわたしの口元を奪っては返す。「……ん」自分の声が、知らない甘さを含む。暁月くんは、目を細め、頬を指の腹でなぞる。「その声、もう一回聞きたい。だから、力抜いて。任せて」言葉の後で、耳のすぐ下にキス。耳朶にふれず、ぎりぎりのところで温度だけを落とす。首筋へ、髪の生え際へ、鎖骨の浅い窪みへ――点を結ぶように淡く、しかし逃がさないリズムで。落ちる唇のたび、体の奥のほうで何かがほどけ、重力が優しく変わっていく。ベッドに横たえられ、肩口のシーツが擦れる。彼の手が、わたしの指を一本ずつほどく。絡める。握る。親指で手の甲を撫で、手首の内側で小さく脈を拾う。「ここ、速い。……俺のせいだな」囁きが耳に触れ、背筋が細く震える。「動かないで。……いまは、俺にさせて」命令じゃない、けれど従わずにはいられない調子。彼はわたしの顎をそっと上げ、真正面から唇を重ねる。深く。舌が触れて、離れない。呼吸の合間に言葉が零れそうになるのを、彼のキスが全部攫っていく。意識の輪郭が柔らかく溶け、何も考えられなくなって、ただ受け取るたび、全身が淡く痺れる。唇が外れた瞬間、彼は視線の高さを落として、喉もとに口づける。「印、つけたい。目立たないところにする」言って、舌先で短く触れるだけ。痕にはしない寸止めの甘さ。わたしが物足りなくて浅く首を傾けると、彼は低く笑って、もう一度だけ深く吸う。「焦らないで。今夜は、長い」ゆっくり、肋骨の沿いを指が辿る。彼は触れる前に必ず目でそこを撫でる。視線が先に落ち、触れ方を選ぶ。押さず、引かず、すくうように、すべらせる。その丁寧さが、逆襲という言葉の輪郭を、より密やかで強いものに変えていく。「ほろた」名前を呼ばれる。視線が絡む。触れられている場所より、見つめられているところが熱くなる。「俺だけ見て」囁きと同時に、両手をそっと枕の上に導かれた。拘束ではない。けれど、下ろしたくなくなる。彼は指を絡めたまま親指で手のひらを撫で、安心を置くみたいに口づけをひとつ落とす。「怖くない。……嫌なこと、しない。全部、気持ちよくするから」次のキスは、長かった。深いところまで触れて、逃げ道を塞ぐ。呼吸は奪わない。奪わないのに、もらった息が返ってこない。声にならない甘さが喉で溶け、唇の間で行き場を失って、彼の舌先に拾われていく。目が勝手に閉じる。閉じたまぶたの上から、彼は短くキスを落とす。「かわいい」一言。それだけで、胸の奥がほどけ、体の力が抜けて、指の絡みが甘く縺れた。肩先に、ゆっくりと、数えるように十の口づけ。鎖骨の端から端まで、浅い痕を連ねる。二の腕の裏にひそやかな印。「俺だけが知ってる場所。……ここ、今日から俺の」息が触れたところから、全身に波紋が広がる。わたしが布団を握ると、彼はその拳をひらき、掌を包んだ。「握るなら、俺の手。……離さないから」そう言って絡め、互いの掌に押しつけるようにキスを落とす。皮膚が擦れて微かな音が鳴る。その音まで甘い。「ねえ、暁月く――」言い切る前に、唇が塞がれる。言葉をキスで遮られる幸福。舌先が触れ、角度を変え、浅く深くを繰り返す。彼はわたしの反応を拾うのがうますぎる。少し息が上がると、たっぷり間をあけた口づけに変え、欲しがる素振りをみせれば、容赦なく深く――。甘やかされ、躾けられていくみたいだと思った瞬間、胸が熱で跳ねた。「……だめ」弱く否を言ってみる。彼は目を細め、笑って、頬を撫でた。「だめでも、ほろたの体は“いい”って言ってる。ここも、ここも」首筋の鼓動、手の震え、浅い呼吸。指先で静かに示されると、言い訳は全部溶けた。「全部、俺に預けて。……ほろたの甘いところ、ぜんぶ俺がもらう」低い声が耳に落ちた瞬間、腰が勝手に沈む。彼は逃げ道に先回りするみたいに、肩を抱き寄せ、額をこつ、と合わせた。「目、閉じないで」言われるままに開けていると、視界いっぱいに彼がいる。やさしいのに、強い。包むのに、支配する。矛盾が混ざり合って、甘さしか残らない。何度目かもわからない長い口づけのあと、彼はシーツに落ちたわたしの髪を指で梳いた。「息、合わせよう。俺が吸うから、ほろたは吐いて。……次、同時に」言われる通りにすると、肺がひとつになったみたいに楽になる。「上手だよ」褒めの一滴が、熱を一段濃くする。合わせた呼吸の拍に、口づけが重なる。一拍、二拍。深呼吸の合間を、彼が全部甘さで埋めていく。「俺のもの、だよな」問いというより、確かめる撫で方で顎を持ち上げられ、唇で頷かされる。「……うん」小さな声でも、彼は逃さない。「もう一回」「……うん。わたしは、暁月くんの、もの」言わせたくせに、言わせた言葉に彼自身がほどける顔をする。「ありがとう。……じゃあ、印の続き」喉元に、浅い痕。鎖骨の端、肩のいちばん柔らかいところ、肘の内側。隠せるところばかり選んで、慎重に、けれど確実に。痛くはない。痛みの手前で止まる。それなのに、残された熱は、痛みよりずっと長く甘く残る。やがて、彼の動きがさらにゆっくりになった。重ねる口づけが、数を数えるように正確で、間の取り方に乱れがない。「――ほろた、ここからは、俺のわがまま聞いて。……何もしないで、ただ、受け取って」頬を包む手のひらが熱い。目を閉じかけると、すぐ睫毛を軽く噛まれて、笑い声が触れる。「閉じないで、って言った。……ほろたの目、好きだから」そこからのキスは、底なしだった。浅いのに深く、短いのに長い。唇の端、上唇の真ん中、下唇の柔らかい縁――形のすべてを覚え直すみたいに攻め、撫で、すくい、与える。わたしが吸い返そうとすれば、その欲を見透かして、少しだけ意地悪に離れる。追うより先に、別の場所へ甘さが落ちる。頬、まぶた、耳の後ろ、喉の角度、肩甲骨の端。体が、彼のリズムに合わせて沈む。抵抗は、もうない。逆らう理由が、もうどこにもない。「……ほろた、力、抜けてきたね」彼は確かめるように手を握り直し、指の腹で掌を撫でる。「俺の声、聞こえる?」「きこえる……」「偉い。じゃあ、もっと深いとこまで行くよ。……怖くない。俺がいる」言葉どおり、怖くない。キスが深まるほど、世界が静かになる。ベッドの軋む小さな音、シーツが擦れる音、二人の呼吸だけが残り、灯りの色まで甘さに溶けた。長い長い口づけのあと、彼は額を合わせ、汗ばんだ前髪を指で払う。「ほろた、俺だけ見て。……これから“駄目押し”する」少し笑って、わたしの過去の台詞をそのまま返す。反射的に頬が熱くなる。その反応さえ読まれて、次の口づけで飲み込まれた。深い。底まで届く。息を交換する、じゃ足りない。鼓動ごと重ねるみたいに、彼の舌が迷いなく触れて、私の甘さを拾っていく。合間に落ちる囁きが、脳のいちばん柔らかい場所を撫でた。「好きだ、ほろた」「俺のものだ」「離さない」「今日のこと、忘れないように――ここにも、ここにも」浅い痕が、地図みたいに増えていく。溺れる、ではない。泳ぎ慣れた彼の腕の中で、深く潜って、しっかり抱き上げられる感覚。底に着く前に、必ず手がある。だから、もっと深くまで行ける。どれくらい時間が過ぎたのかわからない。彼がわずかに身を起こし、見下ろす視線が、やさしいのに意地悪い。「ほろた、“くた……”ってなってる。かわいい」悔しいのに、否定できない。体は彼の腕の中で柔らかく、指は彼の指しか覚えていない。喉に声が溶け、瞳に涙がにじむ。「……暁月、くん」呼ぶたび、キスで返される。甘い鎖が一本ずつ増えて、身じろぎするほど絡まって、でも苦しくない。最後の駄目押しは、額へのキスだった。軽く触れて、離れない。息が触れたまま、彼は言う。「ほろた。俺の、もの」「……うん」「もう一回」「……うん。わたし、暁月くんのもの」わたしの言葉に、彼は目を細め、胸の奥で短く息を震わせた。「ありがとう。じゃあ、俺は――ほろたのものだ」掌と掌を密着させ、ゆっくり指を絡め直す。小さくキス。また小さく。薄く笑って、額を重ねる。世界は小さく、二人の間だけに収束していく。やがて、彼は毛布を引き上げ、わたしを包むように抱き寄せた。「水、あとで持ってくる。……今は、このまま」優しい声。そのまま、首筋に礼のようなキスをひとつ。「大丈夫。ちゃんと、俺が全部見てる。だから、何もしなくていい」呼吸が整っていく。彼の鼓動と、わたしの鼓動が、同じ幅で上下する。視界の端で灯りが揺れ、まぶたが自然に落ちる。眠りに落ちる直前、耳朶を甘く撫でる声がした。「引き分け、じゃないな。……俺の勝ち。次は、また――ほろたの番だ」答えようとした唇に、短いキスが落ちる。甘い合図。夜はまだ、二人の間で静かに燃え続けていた。畳むまじ良い。 2025.10.11(Sat) 21:22:49
センシティブ含む暁月ほろた小説をUPするところがないからここでアップするね。(すごいなおれは……だがサイトなのでいいのです)
チャットGPT5tによる出力です。
折りたたむよ。
逆襲の夜――静かな火と甘い支配
数日が過ぎた。
満足して力の抜けたわたしの日常は穏やかで、どこかふわふわしていた。洗いたてのシーツの匂い、淹れたてのコーヒーの湯気、窓辺でほどける午後の光。どれも、少し前の夜の余韻と混ざって、胸の奥をじんわり温め続けていた。
その晩、食器を片付け終えた頃、背中から気配が近づく。
「ほろた、ちょっと来て」
振り向く前に、手首を包む掌のぬくもりが乗る。強くない。けれど迷いがない。いつもより低い声が、肌の内側に落ちた。
リビングから寝室へ。灯りは落とされ、スタンドの柔らかな灯だけが部屋の色を浅く染める。
ベッドの端に座らされ、わたしが見上げると、暁月くんの瞳はいつもより静かに、深く、火をたたえていた。
「最近、だいぶ甘やかされたからな」
彼は軽く笑って、わたしの頬に指を添える。
「今夜は、俺の番だよ。……任せてくれる?」
問いかけなのに、拒まれることを想定していない声音。
わたしは吸い寄せられるように頷く。それを確認した彼は、やわらかく口角を上げた。
「じゃあ――目、こっち見て。逸らさないで、ほろた」
唇が触れた。
浅いキス。ほんのひと呼吸分だけ触れては離れ、息が混ざる距離に留まる。
次のキスは、さっきよりも少し長い。
その次は、唇の形を確かめるみたいに、角度を変えて。
急がない。焦らせない。けれど、逃さない。
合間に落ちる彼の視線が熱い。まぶたの縁、睫毛の影、吐息の白さ――それを見つめながら、彼は何度もわたしの口元を奪っては返す。
「……ん」
自分の声が、知らない甘さを含む。
暁月くんは、目を細め、頬を指の腹でなぞる。
「その声、もう一回聞きたい。だから、力抜いて。任せて」
言葉の後で、耳のすぐ下にキス。
耳朶にふれず、ぎりぎりのところで温度だけを落とす。
首筋へ、髪の生え際へ、鎖骨の浅い窪みへ――点を結ぶように淡く、しかし逃がさないリズムで。
落ちる唇のたび、体の奥のほうで何かがほどけ、重力が優しく変わっていく。
ベッドに横たえられ、肩口のシーツが擦れる。
彼の手が、わたしの指を一本ずつほどく。絡める。握る。親指で手の甲を撫で、手首の内側で小さく脈を拾う。
「ここ、速い。……俺のせいだな」
囁きが耳に触れ、背筋が細く震える。
「動かないで。……いまは、俺にさせて」
命令じゃない、けれど従わずにはいられない調子。
彼はわたしの顎をそっと上げ、真正面から唇を重ねる。
深く。
舌が触れて、離れない。
呼吸の合間に言葉が零れそうになるのを、彼のキスが全部攫っていく。
意識の輪郭が柔らかく溶け、何も考えられなくなって、ただ受け取るたび、全身が淡く痺れる。
唇が外れた瞬間、彼は視線の高さを落として、喉もとに口づける。
「印、つけたい。目立たないところにする」
言って、舌先で短く触れるだけ。痕にはしない寸止めの甘さ。
わたしが物足りなくて浅く首を傾けると、彼は低く笑って、もう一度だけ深く吸う。
「焦らないで。今夜は、長い」
ゆっくり、肋骨の沿いを指が辿る。
彼は触れる前に必ず目でそこを撫でる。視線が先に落ち、触れ方を選ぶ。
押さず、引かず、すくうように、すべらせる。
その丁寧さが、逆襲という言葉の輪郭を、より密やかで強いものに変えていく。
「ほろた」
名前を呼ばれる。
視線が絡む。
触れられている場所より、見つめられているところが熱くなる。
「俺だけ見て」
囁きと同時に、両手をそっと枕の上に導かれた。拘束ではない。けれど、下ろしたくなくなる。
彼は指を絡めたまま親指で手のひらを撫で、安心を置くみたいに口づけをひとつ落とす。
「怖くない。……嫌なこと、しない。全部、気持ちよくするから」
次のキスは、長かった。
深いところまで触れて、逃げ道を塞ぐ。
呼吸は奪わない。奪わないのに、もらった息が返ってこない。
声にならない甘さが喉で溶け、唇の間で行き場を失って、彼の舌先に拾われていく。
目が勝手に閉じる。閉じたまぶたの上から、彼は短くキスを落とす。
「かわいい」
一言。
それだけで、胸の奥がほどけ、体の力が抜けて、指の絡みが甘く縺れた。
肩先に、ゆっくりと、数えるように十の口づけ。
鎖骨の端から端まで、浅い痕を連ねる。
二の腕の裏にひそやかな印。
「俺だけが知ってる場所。……ここ、今日から俺の」
息が触れたところから、全身に波紋が広がる。
わたしが布団を握ると、彼はその拳をひらき、掌を包んだ。
「握るなら、俺の手。……離さないから」
そう言って絡め、互いの掌に押しつけるようにキスを落とす。
皮膚が擦れて微かな音が鳴る。その音まで甘い。
「ねえ、暁月く――」
言い切る前に、唇が塞がれる。
言葉をキスで遮られる幸福。
舌先が触れ、角度を変え、浅く深くを繰り返す。
彼はわたしの反応を拾うのがうますぎる。
少し息が上がると、たっぷり間をあけた口づけに変え、欲しがる素振りをみせれば、容赦なく深く――。
甘やかされ、躾けられていくみたいだと思った瞬間、胸が熱で跳ねた。
「……だめ」
弱く否を言ってみる。
彼は目を細め、笑って、頬を撫でた。
「だめでも、ほろたの体は“いい”って言ってる。ここも、ここも」
首筋の鼓動、手の震え、浅い呼吸。
指先で静かに示されると、言い訳は全部溶けた。
「全部、俺に預けて。……ほろたの甘いところ、ぜんぶ俺がもらう」
低い声が耳に落ちた瞬間、腰が勝手に沈む。
彼は逃げ道に先回りするみたいに、肩を抱き寄せ、額をこつ、と合わせた。
「目、閉じないで」
言われるままに開けていると、視界いっぱいに彼がいる。
やさしいのに、強い。
包むのに、支配する。
矛盾が混ざり合って、甘さしか残らない。
何度目かもわからない長い口づけのあと、彼はシーツに落ちたわたしの髪を指で梳いた。
「息、合わせよう。俺が吸うから、ほろたは吐いて。……次、同時に」
言われる通りにすると、肺がひとつになったみたいに楽になる。
「上手だよ」
褒めの一滴が、熱を一段濃くする。
合わせた呼吸の拍に、口づけが重なる。
一拍、二拍。
深呼吸の合間を、彼が全部甘さで埋めていく。
「俺のもの、だよな」
問いというより、確かめる撫で方で顎を持ち上げられ、唇で頷かされる。
「……うん」
小さな声でも、彼は逃さない。
「もう一回」
「……うん。わたしは、暁月くんの、もの」
言わせたくせに、言わせた言葉に彼自身がほどける顔をする。
「ありがとう。……じゃあ、印の続き」
喉元に、浅い痕。
鎖骨の端、肩のいちばん柔らかいところ、肘の内側。
隠せるところばかり選んで、慎重に、けれど確実に。
痛くはない。痛みの手前で止まる。
それなのに、残された熱は、痛みよりずっと長く甘く残る。
やがて、彼の動きがさらにゆっくりになった。
重ねる口づけが、数を数えるように正確で、間の取り方に乱れがない。
「――ほろた、ここからは、俺のわがまま聞いて。……何もしないで、ただ、受け取って」
頬を包む手のひらが熱い。
目を閉じかけると、すぐ睫毛を軽く噛まれて、笑い声が触れる。
「閉じないで、って言った。……ほろたの目、好きだから」
そこからのキスは、底なしだった。
浅いのに深く、短いのに長い。
唇の端、上唇の真ん中、下唇の柔らかい縁――形のすべてを覚え直すみたいに攻め、撫で、すくい、与える。
わたしが吸い返そうとすれば、その欲を見透かして、少しだけ意地悪に離れる。
追うより先に、別の場所へ甘さが落ちる。
頬、まぶた、耳の後ろ、喉の角度、肩甲骨の端。
体が、彼のリズムに合わせて沈む。
抵抗は、もうない。
逆らう理由が、もうどこにもない。
「……ほろた、力、抜けてきたね」
彼は確かめるように手を握り直し、指の腹で掌を撫でる。
「俺の声、聞こえる?」
「きこえる……」
「偉い。じゃあ、もっと深いとこまで行くよ。……怖くない。俺がいる」
言葉どおり、怖くない。
キスが深まるほど、世界が静かになる。
ベッドの軋む小さな音、シーツが擦れる音、二人の呼吸だけが残り、灯りの色まで甘さに溶けた。
長い長い口づけのあと、彼は額を合わせ、汗ばんだ前髪を指で払う。
「ほろた、俺だけ見て。……これから“駄目押し”する」
少し笑って、わたしの過去の台詞をそのまま返す。
反射的に頬が熱くなる。その反応さえ読まれて、次の口づけで飲み込まれた。
深い。
底まで届く。
息を交換する、じゃ足りない。
鼓動ごと重ねるみたいに、彼の舌が迷いなく触れて、私の甘さを拾っていく。
合間に落ちる囁きが、脳のいちばん柔らかい場所を撫でた。
「好きだ、ほろた」
「俺のものだ」
「離さない」
「今日のこと、忘れないように――ここにも、ここにも」
浅い痕が、地図みたいに増えていく。
溺れる、ではない。
泳ぎ慣れた彼の腕の中で、深く潜って、しっかり抱き上げられる感覚。
底に着く前に、必ず手がある。
だから、もっと深くまで行ける。
どれくらい時間が過ぎたのかわからない。
彼がわずかに身を起こし、見下ろす視線が、やさしいのに意地悪い。
「ほろた、“くた……”ってなってる。かわいい」
悔しいのに、否定できない。体は彼の腕の中で柔らかく、指は彼の指しか覚えていない。
喉に声が溶け、瞳に涙がにじむ。
「……暁月、くん」
呼ぶたび、キスで返される。
甘い鎖が一本ずつ増えて、身じろぎするほど絡まって、でも苦しくない。
最後の駄目押しは、額へのキスだった。
軽く触れて、離れない。
息が触れたまま、彼は言う。
「ほろた。俺の、もの」
「……うん」
「もう一回」
「……うん。わたし、暁月くんのもの」
わたしの言葉に、彼は目を細め、胸の奥で短く息を震わせた。
「ありがとう。じゃあ、俺は――ほろたのものだ」
掌と掌を密着させ、ゆっくり指を絡め直す。
小さくキス。
また小さく。
薄く笑って、額を重ねる。
世界は小さく、二人の間だけに収束していく。
やがて、彼は毛布を引き上げ、わたしを包むように抱き寄せた。
「水、あとで持ってくる。……今は、このまま」
優しい声。
そのまま、首筋に礼のようなキスをひとつ。
「大丈夫。ちゃんと、俺が全部見てる。だから、何もしなくていい」
呼吸が整っていく。
彼の鼓動と、わたしの鼓動が、同じ幅で上下する。
視界の端で灯りが揺れ、まぶたが自然に落ちる。
眠りに落ちる直前、耳朶を甘く撫でる声がした。
「引き分け、じゃないな。……俺の勝ち。次は、また――ほろたの番だ」
答えようとした唇に、短いキスが落ちる。
甘い合図。
夜はまだ、二人の間で静かに燃え続けていた。
畳む
まじ良い。