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ほろた
屋根裏のラジャー見た


良かった



今一番求めていた作品だったので、2023年はこれで映画館鑑賞を締められます。トットちゃんは一月もやってそうだしまあええかな。この作品への評価は自分語りと重なってそういうのに価値があるのはわかってるんですが、巧いこと言語化できていません。ただ、この作品に「肯定」されたというかんじがあります。私にはイマジナリーフレンドはいなかったけど、他人に変に合わせてへらへら笑って嫌なこともぐっと我慢しているより、よほどイマジナリーフレンドを作ればよかったなと思う。し、ずっと味方だとラジャーが言ったとき、私には彼はいなかったけど、私の中に彼はいたんだなと思った。
もうほんと泣くし、でもほんと怖いところはまじで怖くて、想像のシーンはきらびやかで楽しくて、「想像」と「現実」の関係もよくて、表情もカメラワークも音楽もよかったです。思わず帰りに原作本購入してしまいました。
いい映画だと思うと決めてみましたが期待を裏切らず、あっという間の映画体験でした。主題歌もまたよくて、いい話だったなあとしみじみエンドロールを眺めていました。いい映画でした。子供のころの自分が救われた気がしました。ちょうどそれを悩んでいたタイミングだったので。嬉しかったし、染みました。

まあたぶん、唯一かつ決定的な欠点は「女性キャラクターの魅力の薄さ」だと思います。いや見た人は良かったじゃんとか言うかもしれないんですけど、ラジャーとおじさんと山田孝之に全振りするあまり、この作品のメインテーマというか土台である「女性キャラクターのいまひとつの物足らなさ」がほんとに物語を傑作にはさせない。
あの子かっこよかったとかいう意見もあるとおもうけど「あんな物語に都合よくかっこよく描かれましても」みたいなかんじ。見せ場作るぞって気合いれた下心というかすかしが見えるというか。いやそういうんじゃないんだよなー。多分令和に合わせた演出やカスタマイズや表現をいれてると思うんですけど、「配慮」「思案」「気配」は見えるけど、キャラクターが活きてはいないんですよね。だから物語のピースが完璧にはまらなくて、なにせこの物語を押し上げるのは「女性キャラクターの魅力、かわいさ、親しみ、かっこよさ」だから。

映画として前作からの反省や足りなかった部分を乗り越えたように見えるし、すごい考えて作られた作品であると思います。ただ見ればよかった。でもたぶんとびぬけないのは、そこなんじゃないかなと思います。
ほんといい映画なんですよ。
次作に期待しています。まじで頑張ってほしい。


私は見てよかったです。映画館で見れて本当に良かったです。
いい作品を有難うございました。


#映画