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No.73, No.72, No.71, No.70, No.69, No.68, No.677件]

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ケーキを食べ終わったあと、二人でのんびりとソファで過ごす。「レイ先生のお腹の中に…

小説

#レイ主

小説

#レイ主




ケーキを食べ終わったあと、二人でのんびりとソファで過ごす。
「レイ先生のお腹の中には何が詰まっているの」
わざとからかうように言いながら、レイのお腹を服の上から撫でる。
「…………お前と同じものだ」
「そうかな?隠れてまたなにか食べてるんじゃない?」
「一緒にいて、どうやって盗み食いするんだ」
「レイ先生は器用だからね」
「盗みは専門外だ」
「分かってるよ、そんな顔しないで」
レイのお腹はきれいに割れている。甘いものばかりでどうやってこの体型を維持しているのか、不思議だ。
「やっぱりスイッチがあるのかな……?」
探るように撫でると、さすがに手を止められた。
「まだ諦めていなかったのか?」
「一緒に暮らしたとしてもあなたへの謎は解明しない気がする」
「……それは、一緒に暮らしてみれば解るのではないか」
視線がはちあったが、レイから逸らした。前々からそんな雰囲気はあって、でもどちらとも言い出したりはしなかった。お互いの生活があり、おそらく一緒に暮らしても顔を会わせる頻度は今とそう変わらない気がしていた。レイの手を握って指を絡めるとしっかりとした強さでレイが握り返した。私の手の甲に唇を寄せて、肌の質感を楽しむように唇を滑らせた。まるで、甘えているみたいだ。
「抱きしめてあげる」
尊大に言ってみせる。レイは小さく笑った。
「なら、頼む」
「いいの?普段なら断るでしょう」
「別に普段も嫌ではない。ただ、お前のタイミングが悪いだけだ」
「そうかな?あなたはいつも、そんな瞳をしているよ」
レイは私をまじまじと見た。
「…………そんな風に見えているのか?」
「――ううん。私の希望混じり。そうだったらいいなと思うけど、そうでもないのは分かってるから」
レイは笑っただけだった。
「……抱きしめてくれるんじゃなかったのか?」
「――ついでに好きって言ってあげる」
レイは片方の眉だけ器用にあげてみせた。思わず笑いながら私はレイを抱きしめた。
「好きだよ」
ゆっくりと息を吐いたレイは、満更でもなさそうだった。私を抱きしめ返して、私もだ、と言った。レイからはミントの匂いが微かにして、それがどこから香るのか、知りたくて首筋に鼻をくっつけた。
「レイ、もしかして飴を食べてる?」
「ああ」
「盗み食いはしないんじゃなかったの?」
「これは盗み食いなのか?」
「いつの間に」
レイはポケットを探り、ミントの飴を取り出した。私は口を開けるとレイは口の中に飴を入れてくれる。
「目が覚めてきた」
「眠かったのか?」
「そうかも」
自分から離れようとは思わなかったけれど、レイも離れようとはしなかった。体温が身近すぎて、口の中だけがひんやりしていく。不思議なかんじだった。キスしたらどうなるんだろうと思って、レイにキスをした。軽く触れ合うつもりだったけど、レイがぐっと体重をかけてきて、そのままどんどん深いキスになっていく。違う!そんなつもりじゃない!
「ちょっと、待って」
「……何故?」
問う理由は、レイの瞳にちゃんと書いてある。
「――飴を食べてるから」
口ごもりながら言うと、レイは眉を下げた。なんだかそれが可愛い。また自分からキスをする、レイが乗ってこようとすると胸元を手で押した。困惑がレイの瞳に過る。
「だめ」
「…………」
レイは私の耳たぶに触れる。
「私はもう飴を食べ終っている」
「じゃあ見せて」
唇を撫でて促す。
レイは渋い顔をして、口を開けた。
ミントの匂いがする。
飴は残っていなかった。
「ほんとだね。でも、私はまだだから」
レイは押し黙ったが、瞳は雄弁だった。私はなんだか楽しくなってしまった。笑ってしまうとレイはぐっと眉間にシワを寄せる。
「からかっているのか?」
「今日のあなたはかわいいね」
「そんなことはない」
「そうかな?私のことが好きだって顔をしている」
「…………それだけか?私の顔に書いてあることは」
「え」
「もっとよく確かめてみるといい」
レイが私の手を自分の頬に添えさせた。
「…………どうかな?マカロンも好きだって書いてあるね」
「それで?」
「あとは歯医者が嫌いって書いてある」
「それは間違いだ」
「虫歯になるのはもっと嫌だって書いてある」
「……………他には?」
焦れたようにレイは言う。
私は薄くなった飴を噛んで見せた。
「私の歯は丈夫みたい。あなたと違って虫歯はひとつもな―――ッ、ん」
「―――そのようだ」
レイが覆い被さってくる。
「……」
私はレイの顔を撫でた。
「――私の顔は今は何と書いてある?」
レイは熱い吐息混じりに言う。私は彼をもう止めなかった。
「秘密」





「…………お腹空いてきちゃった」
レイが私のお腹を撫でる。
「宅配を頼むか」
「こんな時間にやってるかな?」
「やっている店もある。時々注文することがある」
「甘いもの?」
「そういう店があればいいが」
そのまま横になっているとレイが飲み物を持ってくる。私に着替えをさせ、トイレに行かせそうやっててきぱきと世話を焼いているのを見るのは結構楽しい。きれいになったシーツの上で、再び横になる。レイは何を注文するか真面目に選んでいるみたいだった。
「一緒に暮らしていてもこんなかんじなのかな?」
レイは少し驚いた顔をした。
「それは……そうかもしれない」
「私はまだ、そうと決めることはできないけど、あなたと暮らすことに不安はないよ」
レイの瞳は不思議な色を湛え、私を見つめる。レイは何も言わなかったけれど、その手が慈しむように私の髪に触れた。しばらくの間、レイはそうしていた。
「……………レイ?」
「なんでもない」
「そう?ならいいけど……」
「注文するならここがいいだろう」
レイは端末を見せてきて、私は了承した。世界の隅にいるみたいにレイはどこか打ちひしがれていて、私は彼を慰めようとしたが何を言えばいいか、分からなかった。

「腹部は専門外だ」
「え?」
「だから、何が詰まっているかはわからない。基礎的な知識や医学的な経験ならあるが、やはり専門外だ」
いったい何を言い出したのか、一瞬分からなかったが、私はまたレイのお腹を撫でて見せた。
「大丈夫。これから美味しいものが入ってくる予定だから」
レイは私を咎めるではなく、抱きしめた。
「私はいつでも構わない」
「分かってる。有り難う」
一緒に暮らさなくても二人で過ごすことはできる。
「あなたの心臓のことを今度は教えて」
「それなら専門分野だ」
彼は重々しく頷いて見せた。私は笑った。やがて宅配を知らせるインターホンが鳴るまで、私たちは話し合った。肝心なことから自分達を遠ざける、それでいて、あなたを愛してます、という言葉で。

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と、アカシの三角関係含む。1p漫画シリーズです(画像省略)(画像省略)(画像省略…

漫画

#ライ観

漫画

#ライ観

と、アカシの三角関係含む。
1p漫画シリーズです

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終わり

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「ねえ、レイ先生。畏まった表情筋のサポートとして白衣にアップリケをつけてみない?…

小説

#レイ主

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#レイ主



「ねえ、レイ先生。畏まった表情筋のサポートとして白衣にアップリケをつけてみない?」
「……今度はどんな無駄遣いをしたんだ?」
「無駄遣いじゃないよ。これは正当な買い物。ほら、レイ先生に似てると思って」
無愛想な雪だるまがアイスキャンディーを食べている絵柄だった。よくそんなものを見つけたなといっそ感心染みた声が出る。彼女は楽しそうに笑って、アップリケを顔の横に持ってくる。
「私が探したんじゃないよ、たまたま引き寄せられたの」
「また深夜に眠れず、通販サイトをひたすら見ていたのか?」
「それは………そんな話じゃないよ」
彼女は頬を膨らませた。先ほどまで得意気だった彼女の変化に彼は眉を上げて見せて、腰を抱き寄せた。
「それほど似ているとは思えないが」
「………似てるよ、そっくり。あなたの生き別れの双子かもしれないよ」
「どちらが兄だ?」
「気にするのはそんなところでいいの?」
「冗談だ」
「冗談を言う表情ってものがあるんだよ」
「分からないのか?」
「分からないよ、そんな顔じゃ」
「よく見てみればいい」
彼は顔を近づけた。吐息が触れそうな距離だ。彼女は顔を逸らして、だから。ともごもごと言う。彼女の耳に髪をかけながら、それで、と言う。
「どのくらい眠れてないんだ」
「別に……ちょっと眠れてないだけ、あんまり普段と変わらないよ」
「私の双子の兄弟を探し当てるほど、通販サイトを渡り歩いていて?」
「これは、たまたま巡りあったの。もしくは呼ばれたんだと思う。あなたと私が親しいから」
「悪くない嘘だ」
「嘘って」
彼女がやっとこちらを見た。彼は彼女の顔を観察するように触れた。
「レイ先生、今は診察時間じゃないよ」
「勤務外労働は違法だ」
呆れたように彼女はため息を吐いた。彼は頬を包み込むように触れる。彼女の瞳が揺らぐ。
「……本当だよ、そこまで寝不足なわけじゃないし」
「分かっている」
彼女が眠れない理由を彼は聞かなかった。
「これからとくとくと安眠する方法を解説してもいいがどうする?」
「うーん、あなたの貴重な時間をそれに使うのは勿体ないかな」
「なら、どうする」
「……」
彼女が彼に抱きついた。
「……そばにいて」
彼は彼女を抱き締め返した。
「分かった。眠るまでそばにいる」
「それじゃだめ。起きたら朝食も作ってもらわないと。最近あなたの手料理食べてないよ。だから、眠れないのかも」
彼は思わず笑った。
「分かった。他には?」
「え、いいの?」
「兄を見つけてくれたお礼だ」
「あなたが弟なの?」
「……ふむ。兄はどうやらなにも話さなかったみたいだ」
「……そうかも。アイスキャンディーを食べるのに夢中だったみたい」
彼女の手にはまだアップリケが握られていた。彼はそれを受け取って、ソファのサイドボードに伏せて置いた。彼女は不思議そうに見つめていたが、彼がキスをしたので、少し顔を赤くした。
だが、ふと顔を伏せる。
「あんまり上手な言い訳じゃなかったかも」
いつもの声だが沈んだ調子は隠せなかった。彼は彼女を抱き締める。暫く二人は無言だった。
「レイ、キスして」
彼は言うとおりにキスをした。
彼女は少し笑った。
「あなたって、今ならなんでもしてくれるみたい」
それは事実だった。
今だけではなく、ずっとそうだ。今までも、これからも。
彼は彼女の髪を触る。
それから彼女の髪にもキスを落とした。
「湯船にお湯を張ってくる。ゆっくり入るといい」
「有り難う、でも今は動いちゃ駄目」
「…………」
彼女が彼の胸に頭を寄せる。
「ドキドキしてる」
「……心拍数とはそういうものだ」
彼女が笑い、指を絡めて手を繋ぐ。彼はしばらく好きにさせてやっていた。その内寝るだろうと思っていたら本当に眠りに落ちた彼女を彼はベッドまで運ぶことにする。冷蔵庫に朝食に相応しい食材はあっただろうか。彼は彼女の寝顔を見ながらそんなことを思う。
「おやすみ、いい夢を」

数日後、セキがこんなメッセージをSNSに投稿した。

「冷涼なるレイ先生の白衣に雪だるまが住みはじめた」

彼女は小さく笑ってハートをつける。夜思いの外熟睡してしまい、今では普通に眠れるようになった。彼が今頃どんな表情をしているのか、気になってスタンプを送りつけた。

彼からはただ一言だ。

「今、アイスキャンディーを食べていたところだ」

それって冗談のつもり?彼女は可笑しくなってしまった。付き添ってくれた夜のお礼に今度はちゃんとしたものを送ろうと彼女は再び通販のサイトの旅に出ることにする。果てのない旅、彼のぎゅっと詰まった眉間、疑わしげな眼差し、でもそれが柔らかくなって、ふっと笑う瞬間、彼女の好きな色を浮かべる。

彼女が最近眠りにつく時、彼女はそんなことを考えているが、彼には言わないつもりだ。

代わりに彼の好きそうなものをスクショして送りつけた。

「いいレストランを見つけた。お礼なら食事に付き合ってくれればいい」
「お礼になるの?」
「なる」

やり取りはそっけない。でも、充分だった。あったかい雪だるま。彼がいつでも冷たくあろうもするのは、溶けてしまうからかもしれなかった。自分の熱で。あるいはその優しさで。

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ひどく暑い日だった。他の寮の手伝いをした後で彼に呼び出されて、急いで向かった。遅…

小説

#冠特

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#冠特





ひどく暑い日だった。
他の寮の手伝いをした後で彼に呼び出されて、急いで向かった。
遅い、と文句を言われて彼女はもごもごする。汗だくの額を無意識に拭うと、彼はどこか呆れたように目を細める。
「この時期に走り回るなんて馬鹿か、日が沈むまで休んでいろ」
「え、でも……」
「‟でも?”」
反論を許さない声にもごもごと彼女は言葉を呑み込んだ。室内は涼しくて空調も効いている。見た目も涼しい寮だ。涼しいのは本当に空調のおかげなのだろうか?彼女は馬鹿みたいに突っ立ている。彼は彼女を見て、それからソファに座り、煙草に火を点けた。彼は彼女にも座るように促した。彼女は戸惑いながら端に腰を下ろす。彼女は彼が紫煙を吐く姿を見る。
「煙草って美味しいんですか?」
「あ?」
「……よく吸っていらっしゃるので」
「吸ってみればわかるだろ」
「……え?」
彼は咥えていた煙草を差し出した。そもそも未成年の自分が煙草を吸うのは違法のはずだ。むしろ彼もそうである気がする。その上で彼が吸っていた煙草に自分が口をつけるというのもためらわれた。彼は差し出したままだったから、フィルターがじりじりと焼けていく。
「おい」
「……その」
「チッ」
彼は短くなった煙草を深く吸い込み、それをびくびくしながら見ている彼女に紫煙を吹きかけた。
「わっ……ッコホ」
「別に美味いわけじゃない」
「……そうなんですか」
じゃあ、何故、と彼女の顔が言う。
臆病な割に雄弁すぎる瞳だ。彼は答えなかった。
「えっと、煙草を吸うのもいいですけど、ご飯は食べた方が……」
テーブルには食事が手つかずのまま、残っている。
「うるせえな」
「……」
「お前が食べればいいだろうが」
「わ、私が食べても意味ないと思います……」
彼がひと睨みする。
彼女は慌てて目を伏せた。
「……」
「……」
「あの、どんなものなら食べられそうですか……?」
「しつこいぞ」
彼の肌は白かった。
日光にも当たらず、食事もしない。それでも華奢なイメージはない。堂々とした振る舞いがあるからだろうか。彼は煙草を吸う。彼女は、押し黙る。が、ぱっと顔を上げる。
「美味しいですよ、翔くんの料理!」
「……」
「すごく丁寧に作ってあって、味付けも優しいというかほっとするというか。でもクオリティがとても高くて」
「で?」
彼は紫煙を吐いた。すげない彼の態度に彼女の勢いは徐々に落ちていく。
「……おススメをしたくて」
「ヴァガストロムの奴らとうまくやってるようじゃねえか」
「うまく……かは分かりませんが、少しずつ仲良くなれている気はします」
彼女は少しほっとして笑った。
彼はまた彼女の顔に紫煙を吹きかける。
「えぁ、コホッ…!」
「――俺に食べてほしけりゃ、吸ってみろ」
「……っ、え?」
彼は煙草を差し出した。
彼女の瞳が揺らぐ。
ゆっくりとフィルターは焼けていく。
彼女は彼の顔を見た。彼の表情は読めなかった。
迷いに迷った彼女は彼の手元に顔を近づけていく。
「熱……」
「え、あっ」
それでも彼女が迷っていると短くなった煙草で彼の指が焼けた。
それに気づいた彼女の顔が青ざめる。
「冷やさないと、あ、水、えっと」
彼は煙草をもみ消して、彼女の顎を掴む。
彼女が息を吸い込む。
彼は、慇懃に彼女の瞳を見つめるだけだ。
彼女は逃げ場をなくして、追い詰められた子猫のようにぶるぶると震える。
「すみませ、」
彼は言葉の吐息がかかるほど、顔を寄せる。
彼女は思わずぎゅっと目を瞑った。
「俺を見ろ」
「……」
「見ろ」
「…………は、はい」
彼女はそろりと目を開ける。
彼の瞳が彼女を捕らえたが、飽いたように手を離した。
「掃除しとけ。夜になったら起こせ」
「え……で、でも」
「下僕が口答えすんじゃねえ」
「冠氷さん、火傷はしてないですか……?」
「うるせえ」
彼女は困ったような顔で彼を見上げる。彼は、その瞳を閉じたくなった。口とて、塞ぎたくなった。彼は彼女がいるにも関わらず、ソファに横になった。
彼女は彼に足を乗せられて猶更困ったようだった。彼は目を閉じた。足で感じる彼女の身体は頼りなく、柔らかい。
「あの」
「……」
「……冠氷さん?」
彼は身じろぎしなかった。
彼女は浅くため息を吐く。
「どうしよう…………」
小さい声だったが、むろん聞こえた。
彼は、ふっと笑いかけた。
このまま、彼女をこの部屋に閉じ込めてしまいたいような気持ちになったからだ。

外はいまだ眩しい日差しに満ちている。傾きかけた西日がより一層赤々と燃えて、カーテンの縁を彩っている。外と隔絶したこの空間は、音も届かず、彼は彼女の、困惑したままの浅い呼吸にいつまでも耳を澄ましていた。

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続きを読む大抵の地球のおかずよりも遥かに良いものたちがここにはあり、何故ならここ…

小説

#ザガ主

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#ザガ主/R18





大抵の地球のおかずよりも遥かに良いものたちがここにはあり、何故ならここは地獄だからだ。
天使たちの襲撃が今日は休みで、ここの神も休日を作ったのかもしれなかった。案外常識を持ち合わせたピョンがお出かけになられてはいかがですかと言う、ゲヘナはとても素晴らしい街ですよ、と言う。襲撃の後に朽ち果てた建物があっても活気に満ちていて、美しかった。一人で行ってもいいものかと確認する前に、ちょうどいい、とピョンが言った。ザガンがいた。ザガンは私と目を合わせなかった。そこが気に入った。ピョンに一緒に出掛けてくるといい、はい、それがよろしいですよ、と言い、何か忙しそうに出かけて行った。見慣れた赤い丸が、星のように過ぎ去って、無言を決め込むザガンの腕を取った。びくりと驚いて、ザガンは目の端を赤く染めた。

「あなたはどうしてここに?」
「…………」
ザガンはひどく無口で、私は自分の都合よく解釈することにした。
ぴったりとくっつくと熱い皮膚が感じ取れた。シトリーでもなくても鼓動は聞き取れる。
「ゲヘナはいい街だね」
ザガンは頷いた。
「それで、二人きりになれる場所は知っている?」
ザガンは目を丸くした。
私を見て、喉をこくりと鳴らす。
正直で可愛い反応に私は満足した。
「嘘だよ、好きな場所に連れて行って」
ザガンは困ったように眉を下げた。
「どちらがいい?」
ザガンは、顔をそらした。
私は辛抱強く待つことにした。嘘だった。彼の手を握り、彼の腕を触った。
ザガンは首から赤くなって、小さく唸る。
「…………どこがいいのか、分からない」
「酒場があるんだったら宿があるんじゃないかな」
「!」
ここは地獄だったし、彼は悪魔だった
ザガンは私の腕を取ると、真っ直ぐに歩いて行った。私は素直に付き従った。彼が何か他の悪魔に断りを入れ、私は宿の一室に連れてこられる。ザガンの息はすでに荒くて、硬くなって主張していた。
「……キスはしてくれないの?」
ザガンは応じた。
最初は戸惑いがちに、徐々に大胆に。私は受け入れて、ザガンも私を受け入れるころにはお互い裸になっていて、私は彼の均等に鍛えられた美しい身体を目と指で堪能した。唇でも、舌でも。ザガンはベッドにうつ伏せになって、時々唸り、私に許しを請うような目をした。きらきらの犬みたいな、それでいて、あまりにも真っ直ぐだから返って虐めたくなるような目で。
私は彼のものを太ももで挟んだ。
「いれたい?」
「………ああ」
「どうしても?」
「……どうしても」
「どうして?」
「……どうして?」
「言って」
何を、と彼は聞かなかった。
「お前が欲しい」
私は返事をせずに、彼を導いた。
彼はそれだけで震えて、達しそうになった。
好きに動いていい、と言うように私は彼の首を抱き、彼は動き始めた。
動けば動くほどみっちりと質量を増してゆく。
ここは地獄で、地球では中が満ちることはなかった、こんなにも。
彼の髪もとてもいい匂いがして、悪魔はどうしたって魅力的だ。しとどに濡れていく自分も、彼のものも感じて、でも彼は私を壊すわけではなかったし、私も彼に壊されたいわけではなかった。
丁度いい興奮と快楽に、どこか素朴な彼のうっとりとした恍惚した眼差しが気持ちよかった。
「はぁ、はぁ、……気持ちいい?」
「……ああ」
彼はそれに興奮したように、腰の動きを早めていく。乳房を舐めて、先端を吸う。
前にした動きを覚えているようだった。
私の内側も唸っていく。
彼の汗が私に落ちる。
髪を掻き上げて、角を触ると彼は眉をしかめた。
困っているのに、もっと、と強請るようだった。
私は嬉しくなって、彼の角を握る。
彼の動きに合わせてぎゅ、ぎゅ、と動かすと、彼は声を漏らした。
「イキたい?」
「……ああ」
「可愛い」
また彼は困惑して、でもそれをどこか楽しんでるようにして小さく笑った。
私はあとは彼に任せることにして、彼の齎すものを楽しんだ。
美しい男が犬みたいに懐いてくれるのは、心地よかった。

ザガンの余力を残して行為は終わった。甘く痺れて余韻が残っている。私はまだ出来るような気がして、彼の胸元を触った。ザガンは、私の首筋に唇を寄せる。
「今日は終わりだ」
「どうして?」
「お前が疲れているから」
「もっとできるかもしれないでしょう」
「……なら、今度」
今日よりもっとする、とザガンは小さく笑った。
私をあやすように。
「休んでくれ。連れていく」
どこに?
地獄はここだ。
ザガンは私にキスをした。甘い色の眼差しは欲を残していて、そういえばこういうジュースがあった。よく混ぜないと最後に甘い蜜が残ってしまうもの。水を足して飲んでもいいんだけれどそうすると水っぽくなって台無しになってしまう。私は彼の唇を舐めて、彼は、小さく唸った。犬みたいにして。見えない尻尾を振って、私の胸元に頭を寄せた。案外ふわふわとした髪が私の肌をくすぐり、ゆったりとした重みは私を睡眠へ促す。

「また会いたい」

どうしてそんな当然のことを?私は眠気に囚われて、うまく答えられなかったけれど、窓から差し込む光は薄っすらと分かり、それが一層ザガンを美しく見せ、私はゲヘナは素晴らしい街だと、改めて思った。


畳む

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「星さん?あの、これは一体」「友達――アベンチュリン――から貰ったの。だから、あ…

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#サン星

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#サン星

「星さん?あの、これは一体」
「友達――アベンチュリン――から貰ったの。だから、あなたにあげる」
「あげると言われましてもこれはまた大金ですよ」
「そうだね。だから、あなたが使って」
「どうしてです?」
「いつも投資話をおじゃんにするじゃない!私はお金を出すと言っているのに」
「あなたは良くてもあなたの保護者達に何を言われるかと思うと僕のリスクが高いんですよ」
「じゃあなんでいつも声をかけてくるの?」
「あなたが簡単に乗るからですよ」
「矛盾?」
「楽しいからいいじゃありませんか」
「まあ、それは……そう。だから、私が投資話を作った」
「だから?」
「だから」
「一から話してください」
「十から話したのに?」
「それが問題なんですよ」
「私、お金貰う。サンポ、そのお金を使う。終わり」
「あなたの話術を指南する本を作ると売れそうですね」
「じゃあ、このお金で作ろう!」
「ゼロから話すのはどうでしょう?」
「回りくどいな。いいから使えと言ってるんだけど」
「正直に言うと恐ろしさを覚えています。わけもわからず他人……いえ、ごほん。親愛なる友人の星さんからお金を使えと言われて。まったく混乱してしまいます。これは罠かなにかでしょうか?」
「シンプルに話してるんだけどな」
「シンプル……というか、マッチを使って火をおこすのではなく、雨を降らせろと言われているような気分なのですが」
「じゃあそれをしよう。このお金で」
「すみません、壊れたカセットテープよりも異常な停止と繰り返しを行わないでください」
「私を失望させないで」
星が言う。
サンポは目を細めた。
「私めに何をさせたいのですか。私めは商人ですから、事は単純なのです。お客様の欲しいモノを買う。お客様の欲しいモノを売る。それだけなのですよ。」
「サンポがこのお金でサンポの欲しいものを買ってきて、私を満足させる。以上」
「僕の欲しいものでどうして星さんが満足されるのですか?」
「サンポの欲しいものが見たいから。」
「おやまあ、……いえちょっと待ってください。一体どうされたのですか?ゴミ箱に脅迫されているんですか?どのあたりの?まさかこの前一緒に穴を掘っていたあれですか?」
「どの話?心当たりが多くて分からない」
「はあ」
サンポがため息を吐いた。
星はてへへと照れたように頭を掻いた。
「じゃあそういうことで」
「待って。待ってください。僕、何かあなたを怒らせるようなことをしましたか?」
「存在がもう………あれは許せなかったな………」
「えぇえ……償いならもうしたじゃないですかぁ、ってどのことですか?心当たりがまるでないのですが……」
「サンポじゃなかったからね。でもサンポの顏してたからそういう時はサンポが悪いよ」
「―――ということは、つまり」
「てへへ」
「八つ当たりじゃないですか?サンドバックの代金ということですかぁ?」
「願いは本当。怒りも本当だよ。いや、正当かな……大体サンポが悪いじゃん……」
「あのー。まったく理不尽さを覚えるのですが、はあ、もう分かりましたよ。ならそういうこととして、お金は預からせていただきます。……僕の欲しいもの、でしたよね?」
「まあ犬のうんこみたいなもんだと思うけどね」
「今ふかーく傷つきましたよ。本当ですからね、ああ、悲しい……良き友、良き仲間、良き同士、こうして時間をかけてお互いを知り合い、深くつながった関係だと言うのに……星さんはまったく僕のことをお分かりになっていないなんて!この不肖サンポ、悲しすぎてもう涙も枯れはててしまいました」
「乙~。じゃあ、楽しみにしてるね」
「あ、ちょっと!」
星は本当にさっさと歩きだして、街灯に喧嘩を売りに行った。街灯の方はまったく気にせず、そびえたっている。むしろその近くにあるポストの方が彼女のことを気にしているようだ。この街は終わりだ。
「……さてと」
本当に大金だった。彼女からして、だが。それをささーっと懐にしまい込み、サンポもまたその場を去ることにした。自分の欲しいものはお金では買えない。大事なものはお金で買えないのだ。まあ、大抵の場合だが。何があったのか、おおよその見当はついているものの、かといって自分の所為ではないことは確かだ。八つ当たりの代金は頂くとして、彼女の願いを叶えないといけない。売られて、買ったのだ。このサンポ、いついかなる時もお客様を失望させるようなことは致しません。決して差し出すのは、犬のうんこなどではないのだ。……………彼女は、結構喜びそうだ。物語はそうやって破綻した。パーン。終わり。

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寝ている。呼び出したのは自分だ、部屋で待っていろと言ったのも自分だ。彼は煙草を手…

小説

#冠特

小説

#冠特


寝ている。呼び出したのは自分だ、部屋で待っていろと言ったのも自分だ。
彼は煙草を手に取り、火を点けた。浅く吸い込み溜めてから吐き出す。
ちろりと詰みあがっている書類を見る。見るだけだ。
机に腰を下ろし、人のソファで間抜けに眠りこけている彼女を見る。
煙草を吸う。吐く。二本目に火を点けた。紫煙が漂う。
彼は特に何も考えていなかった。どうでもよかった。
彼女は眠っている。
二本目を吸い終えたら、動くつもりだった。
が。先に腹の音が鳴った。
彼のものではない。
眠りこけている彼女の腹からだ。

グゥウウーー

勢いよく飛び起きた彼女は彼を見て、不思議そうな顔をし、やがて状況を把握し、青ざめた。腹が鳴り続ける。顔を赤くし、冷や汗を流し、困り果てた顔で、彼女は滑稽なほどにうろたえた。

「あ、えっと、あの、これはその、ええと、だから」
「だから?」
「えっ」
「何だ」
「…………すみません………」
絞り出した声で謝罪し、彼女は死刑を待つ囚人のように項垂れた。
腹は鳴っている。
「御託はいい。消えろ」
「はい、あの、本当にすみませ」
「やる」
「…………あ、え?」
「あ?」
「……えっと」

彼女は瞬いた。
彼が放り投げたのはチョコレートの缶だった。

「押し付けられた。お前が全部食え」
「あ、………えっと…………じゃあ、責任持って食べます、ので」
「ああ」
「失礼しました」
「食えって言ったよな?」
彼女は最大級に間抜けな顔をした。
「……それはその。……ここで?」
彼は答えなかった。
彼女は哀れな子ネズミだった。
何かをすがるように視線を彷徨わせ、やがて決心した。
「いただきます…………」
恐る恐ると彼女はチョコレートを一粒口に含んだ。
「……ん、……あ!美味しい!」
「そうかよ」
「美味しいですよ、冠氷さんも食べませんか?」
「いらねえ」
「美味しいですよ」
「お前が全部食えつってんだろ」
「……誰かからの贈り物ですか?」
「知らねえ」
「こんな美味しいチョコレート、私食べたことないです!」
「で?」
「………………すみません。あの、ここで全部食べなきゃだめですか?」
目線だけ向けた。
彼女は臆病に首を竦める。
「………友達に、あげたくて」
美味しいので、ともごもご言った。
大方、二年の同級生にだろう。
「あ」
「え」
「……」
彼は口を開けて見せた。
彼女が固まった。
「早くしろ」
「えっと……失礼します」
彼女はおずおずとチョコレートを一粒、彼に差し出した。
彼は彼女がそれを口に入れるまで傲然と待った。
彼女は彼の意図に気づき、怯える子羊のまま、王の口に含ませた。
彼は彼女の指ごと、チョコレートを食み、溶かした。
「まあまあだな」
「…………は、はい」
「はい?」
「お、美味しいと思います……」
彼は手を振った。
下がれという意味だった。
部屋から出ていけとも言った。
彼女はわたわたと慌て、チョコレートの缶をしっかりと抱いた。
「あの、冠氷さん、有難うございます」
彼は応じなかった。
彼女はそっと出ていく。

入れ替わるようにして、副寮長が訪れた。
彼はソファに横になり、目を瞑った。
何か色々と言っていたがどうでもよかった。

「おや、チョコレートはどうされたんですか」

不意に含み笑いが聞こえる。
わざとらしい言い回しに彼はいつもうんざりしている。

「失せろ」
「また、用意しておきます。ああ、そうだ」

今度は彼女を呼んで、お茶会をしましょう。

戯言が聞こえる。
彼は沈黙を欲した。
まだ何か話している。
うるさい。

彼の、口の中はチョコレートの味がした。
彼女の爪の硬さが歯に残っている。
その時、一瞬、目が合っていた。
彼は捕食者の顔をしていたし、彼女は無垢な生贄だった。


「美味いやつにしろ」


彼はそれきり、何も話さなかった。
副寮長は従順に承諾する。


彼女は、彼の特別だった。

アナウンス
※現在プレイを休止しているものあります。
倉庫としておいています。

受け攻め性別不問/男女恋愛要素あり
R18と特殊設定のものはワンクッション置いています。
年齢制限は守ってください。よろしくお願いします。