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ほろた
「モネ睡蓮のとき」「田中一村展奄美の光 魂の絵画」を見た

モネは睡蓮をテーマに睡蓮を…………個人的には京都美術館のかつての展示を越えなかったイメージです。睡蓮はたしかにすきだがしかしまあそれをピックアップするのはようわからんなあとおもったのだが、晩年の赤いモネの絵が豊富に飾っていたのでまあいいかなってかんじでした。それなら焼き回しになるけど、積み重ねて睡蓮に至ったでいいかんじもするけど、でも晩年のピックアップはむしろモネは睡蓮だけじゃないんだよな!という裏テーマを察するような気もしました。睡蓮好きなひとは行こう。

田中一村展がかなり複雑な気持ちにさせる展示でかつて天才といわれたが大人になり売れなかった人間の試行錯誤の気持ちを、かなりふかくみせられて、悲しくなるような、やりきれないような、いたたまれないような気持ちで、奄美の絵が個人的には刺さらず、昭和20年代の頃がいちばんすきでした。絵がうまい人が努力を重ね、世間の評価に揺れ、売れる絵を描くように目指し、最後、奄美の自然を書き始めた流れが生々しくもあり、絵をかく人間は一見の価値がある展示だと思います。彼の彼らしい絵とはなんだったのか。しかしそれは奄美であったのかといわれると、奄美でしかなかったのかもしれないと、思う。

川瀬巴水は強力な相棒がいてずっと二人三脚でしたがそれがうまく働いてないような気もするとも書きましたし、そうであるが、一村をみると、川瀬はよかったんだなあとも思う。

一村、あなたはどの時代の彼の絵が好きですか?と尋ねたい。どうであればよかったですか。どうであれば生きてる間に個展という夢を果たせたのだろう。

たしかに一人の人間の生きた証の、展示会でした。いけた人は感想教えてください。

#美術館
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ほろた
「印象派 モネからアメリカへ」を見た

ボイスガイドが速水さんだったので、聞いてみたが速水さんは常に真面目に仕事しててえらい。同じような感じで別の人聞いたときは全然やる気なさそうだった。速水さんの仕事は信頼できる。

とはいえ、全体的によかったような、特に印象に残らないよーな、かんじなのは、ボイス案内のせいで集中したい絵に集中できなかったせいなので、滅多なとき以外はなくてもいいなーと思いました。好きな絵はいくつかあったけど、あんまり集中できなかったな。印象派の絵画に神の存在を感じるときはあり、移り行く光に神を通したのかなと思う。神秘主義とはまた違う気がします。日本人が米粒にも神がいる!みたいなかんじ。全体的に世界への存在、肯定を感じるところがあります。
それはなんか権威的だったり、聖書的なものとはまた違う、普段のルールやモラルとして。だから、美術館いかないひとの中にはそういう徳というか、モラルというか、そういうものがダメな人もいるのかもなーと思いました。あるいはホラー映画のほうにねいくんかな、とか。てか、映画が不道徳的であるよなとか。あるいは現代美術(でかい幅で言うが)がそうなのかもな?とも思います。

今回なんかきれーな、ていったらあれだけど、美が多かったな、てのもかつての発展しようとしてきたアメリカの、パワーというか価値観の善さなのかもしれないですね。
 
よき隣人の神ってかんじでした。
どーいうことやねん?ですが。
日本人の絵は、そのへんがちょっとちゃうかったね。人間こそあるべきなんだよみたいな、パワーみたいな。自然と共に生きてきた当然さがあったけどそれと印象派のやつがまだ噛み合ってないかんじを思いました。今の日本人画家ならどう描くんだろうね。

取り留めないけどそんなことを思いました。

#美術館
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ほろた
2024-07-31
7月終わり!
最近の自分の激動さ(かなり狭い自分の生活の範囲の話)にやられちまうような!夏!昨日は下鴨神社にいき、ぽこぴーが動画に出してた烏丸の一蘭にゆき、京セラ美術館にいってきました。

本当にねえ。
奥村厚一展が素晴らしくて。
はじめて知った作家さんで、ポスター絵に惹かれていったんだけど、最高だったな。光のうつろい、視点の大きさ、自然との距離の近さ、空も波も山も美しく、光の揺らめきがそこにあり、移り行く時間が光で描かれていて、ポスターにはモネとあったけど、モネより自然そのものを見つめた作家だなあと思いました。
ほろたはシスレーがすきですが、彼の描く雲が好きなのですが、奥村の描く自然の一つ一つはそれと同じくらい素晴らしかった。山の絵があって、そこに大きな影が落ちてて、見ているとゆっくりと雲が動いてその影が動いて風が吹くのを感じとれるような、そんな素晴らしさ。
ひどく感嘆しながら眺めていました。時の止まる心地。
よかった。

#美術館

そんで初一蘭!めちゃくちゃよいね!うまいし!ぽこぴー有り難う~てかんじ。

ほんとは下鴨神社いってから、山の方にいこうとおもったんですが、ざわめきがひどくて、なんか山にいかない方がいいな、と思ったので、とりあえず一蘭にむかったあと、ぷらぷら歩いてたら三条にたどり着いたんで、そのまま京セラ美術館へという流れ。結構歩きました。

タオルと飲み物と塩分タブレットと日傘と帽子でいってもなんか、くらくらしたなあ。昨日は結構涼しかったんですが、ポカリがぶ飲みしてしまったわ。
お盆休みとかで京都いく方はお気をつけてください。

今日は病院予定だったけど、なんか起きられなくてずっと寝てた。変な夢みたけど、まあまあ元気になりました。二日酔いかな?梅シロップができたから今日から飲んでます。夏に染みる味。
明日は仕事とのことなんで、無理なくやっていきます。

8月なにしたいかな?ておもってるけど、かなり旅行いきたいなーって思ってます笑。遠方に出掛ける予定はあるけど、適当な旅をしたいっすねえ。伊勢か出雲にいこうかなと思ってます。

プラプラ~とね。
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ほろた
「円空―旅して、彫って、祈って―」を観てきた

円空ゥ?なんかしらん坊さんで教科書に載ってる人でしょ?信仰してるひとしか見てつまらんのでは?と思ってスルーしようと思ったのだが、NHKの円空CMに「なんだこのおおらかな……木彫りの仏像……」と思ってまんまと見に行ってきました。
そもそもにおいて、あべのハルカス美術館・はいい展示をする。「誘導」があんまりなくて「この空間にあるものを楽しんでください」という敷居の低さがいい。それでいて少ない展示物から「わかる」ようにツボを押さえていて、すごく気軽に見れてとても「得た」ような気分になれる。
今回、音声ガイドが諏訪部順一とあって「セブンさん!」となり音声ガイド代650円払っていざ入場するのだが、一発目にでかい仏像、一見トーテムポールのような大きな木彫りの仏像が迎えてくれる。
木彫りの仏像自体はのびのびしており、悠々と自然体で置かれているのだが、この諏訪部順一の音声ガイドが「ドラマ」にしてくる。一体この音声ガイドなしに見たらどういう感想に至れるのか、試してみてもよかったと思う。なんとなくとして、仏像の(ーUー)みたいな顏は、個人的には円空のおかんに似ているのではと思っており、全体的に仏像~における感覚はなんというか包み込む~ようなかんじがあった。
信仰・奉仕・人の為、という筋書きが敷かれているが、決して彼が義務とは思っていなかったことが伝わってくる。
彫刻としても見事で、なんとも楽しさにあふれているがやはり秀逸なのは晩年の仏像群だと思う。年を経たもののすばらしさをいつもこういう展示で思う。精緻で強いのは若年のものだが、やはり晩年しか作れぬものはあり、そういうものを知っているので「こんな歳なのにこんな技術で」みたいなことは思わずに済んでいるところがある。
展示最後の仏像に関して白州正子が余計なことを言っており、この人はこれを見てこの感想に至るとはという呆れ(音声ガイドのみわかる話)があった。
肝心なのは自分の感想が言語化できないことなのだが、なんというか、あれは自然信仰に至ったものではなく、「人」に至ったものである、ということであった。
円空の晩年がさみしくなかったことを祈っている。

おそらく音声ガイドの諏訪部順一の由来は展示物の両面宿儺の仏像に由来するもので、呪術の作品とかでは悪のような描かれ方をしているためか、こちらは地域に根付いた信仰による親愛の像としてのアプローチであり、そういうことを美術館がするのはとてもよいなと思った。何故か両面宿儺の御朱印が七百円で売っており、思わず購入してしまったのであった。
諏訪部順一、津田健次郎を起用する声優の「若者」へのアプローチがすごいなと思ったのは、客層と「円空の知名度」へのあれこれがあるからだと分かるものがあり、SNSでバズるといいなあと思った。ほんと展示物が親しみやすく、見やすいというので。こういうのも円空の人柄だろうし、それを十周年の展示にしたのもすごいなあと思う。

いい展示でした。


#美術館

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ほろた
「決定版!女性画家たちの大阪」を見てきた。

公式サイトらしい
https://www.ktv.jp/event/wosaka/

新年初美術館ということでどこにいくか悩んでいたのですが気持ちと心の距離で中之島美術館の女性画家たちの大阪を見てきました。結構抵抗があったのは中之島美術館があんまり好きじゃない……なんなら軽蔑の気持ちがある……ぐらいのマイナス心証だったので、どうかなあと思っていたのですが、結論を言うと、もうめちゃめちゃ良かったです。

丁度天気が悪いからか、あの黒い中之島美術館がビル群の光景にマッチしててねえ、青空の下で見るとほんともうろくでもない建物だなと思っていたんですが、建物にもベストタイミングというか似合う空と風景があるんだなあと思いました。
今日の中之島美術館は実にアンニュイで静寂で良かった。商売的には上がったりだと思うけどね。

この展示会の冒頭一枚絵が「最高やんけ」みたいなかんじで、色合いと質感、題材といい、はじめて「島成園」という人の絵と名前を知ったんですが、一瞬にして全身に浴びたな。映画とか漫画とかで一コマ目で「ええな」って思う瞬間あると思うんですが、「島成園」という画家の絵は確かに人を惹きつけるなあと思いました。柔らかな色合いと高い技巧で、描く女性に芯があるんですよね。
目が合うというか、見ているけど、見られているような対話の瞬間があって、ぐっと引き込まれる。

別作家の方になるけど松本華羊の殉教(伴天連お春)が本当もうええ女すぎて、花と鎖と女のまろい感じがね、いやなんか毎回ええ女や………と思いながら作品を見ていた。女性の画がたくさん展示されていて、着物の色合いとか、書き込まれた柄とか、ポーズとか、背景のぼかしとニュアンスのつけ方とか、見るところ一杯あって、いい空間でした。
もちろん美人画以外の風景画とか植物画とか、決定版と言ってるからにはあらゆる作家をプレゼンしていたけど、一人一作みたいな展示もあって、決定版なら一人複数展示を必須にしてほしかったな。同時開催している展示会があるから、全館展示じゃなくて、それが惜しかった。こんな雰囲気のある絵、なんぼでも見たかったなーっていう画家さん、たくさんいました。

図録を買うか、買うまいか……と考えて、タイミングがあったら二回目で……と思ったけど(家で図録を見返さないから)、レアな感じがするんでやっぱり買えばよかったかなーと悶々としております。うう。

かなりおススメの展示です。良い。

丁度、自分の穴をどうするか……みたいに茫洋としていたので、展示会がすごくパッションで熱い!みたいなかんじがダイレクトじゃないんですが、やるかやらないかならやるんだよみたいな冷静な信念と愛と情熱と誠実さが伝わってくる絵群だったから、思いのほか揺さぶられたところはあります。

あの目が忘れられないなあ。
見てよかったです。

#美術館
#展示会